著作権にはさまざまなものがあります。
音楽や絵画からデザイン、文章など幅広いものに著作権は関係しています。
そのため、企業の取引において著作権が対象になることも多々あります。
今回は、著作権譲渡契約について知っておくべきポイントも踏まえて解説します。
著作権譲渡契約とは
そもそも著作権とは、著作者が有する権利ですが他者に譲渡可能な権利です。
広く行われている著作物の使用許可などとは異なり、著作権の譲渡が行われると、もともとの著作物は著作者ではなくなります。
例えば、著作物を占有的に利用したいといった場合には、著作権譲渡契約を交わします。
この著作権譲渡契約にはインターネットなどにひな形がアップロードされていますが、著作物の対象は幅広い上、どのような目的で著作権の譲渡を望むのかなど実情を踏まえたものではありません。
そのため、著作権譲渡契約を交わす際には、専門家に相談することをおすすめします。
著作権譲渡契約について知っておくべきポイント
では、著作権譲渡契約において、知っておくべきポイントとは何でしょうか。
ここでは、4つご紹介します。
- 1.著作物と著作権が具体的か
- まず、譲渡の対象が具体的に明記されているかどうかが重要です。
何が契約の対象になっているのか、その対象範囲は適切かなどを確認します。 - 2.著作権法を踏まえているか
- 次に、著作権法27条と28条に記された、翻訳権や二次的著作物に係る原著作者の権利などに注意が必要です。
これらの権利は、著作権譲渡契約において「権利を譲渡する」と明記されていなければなりません。
具体的に明記されていない場合には、譲渡されていないと著作権法61条によって推定されます。
そのため、契約書に著作権法27条と28条の権利も具体的に譲渡すると明記しなくてはなりません。 - 3.著作者人格権不行使特約
- 著作権を譲渡した後に、譲受側が著作者人格権を行使することを防ぐ必要があります。
そのためには、著作権譲渡契約において、著作者人格権を行使しないといったことを明記します。
また、万が一のときに備えて損害賠償に関する規定も設ける事例もあります。 - 4.二重譲渡について
- 二重譲渡とは、譲受側がその著作物や著作権を別の第三者に譲渡することです。
この二重譲渡が発生すると、もともとの著作権者と第三者との間で対抗問題が起こってしまいます。
そうした事態を防ぐために、著作権譲渡契約において、他の第三者との間で当該譲渡に矛盾する契約を締結していないこと、今後も締結しないことを明確にしておきます。
さらに、これに違反した場合の損害賠償に関する規定も契約書に明記します。
今回は、著作権譲渡契約について知っておくべきポイントも踏まえて解説しました。
著作権譲渡契約を交わす上で最低限、上記のポイントは押さえておきましょう。
後になってトラブルにならないように重要なポイントはしっかり明記しておくことが重要です。
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