■退職金に支払い義務はあるのか?
まず、前提として未払い退職金を受け取るためには、退職した会社に退職金の支払い義務があることが必要となります。
そして、退職金を請求できるか否かは、退職金に賃金としての性質があるか否かによって決定します。
賃金とは労働基準法11条によると「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と規定されています。
賃金は会社に支払い義務がある金銭であるため、賃金の未払いがあれば請求できるということになります。
しかし、一般的にイメージされているような退職金の場合は、労働基準法では使用者に支払いが義務付けられていません。
会社の就業規則や雇用契約書などに、退職金の支給条件が明記され、その支払いが労働契約の内容となっている場合には、労働基準法の規定する賃金に当たるため、会社に退職金の支払い義務が生じることになります。
また、会社の就業規則によっては懲戒解雇による場合は、退職金を支給しない旨を規定している会社が多くなっています。
懲戒に相当する行為をした社員に対しては給与を支払いたくないと考える使用者が大多数であることがわかります。
転職を理由に会社を辞めた場合の退職金は、減額されてしまう可能性もあります。
退職金は一般的に勤続年数によって額が変化します。したがって転職を考えている若者には少し厳しい制度になってしまっています。
■退職金を支払ってもらえない場合にはどうするべきか?
まず退職金の請求をするために、会社の退職金について定めた就業規則を手に入れるところから始まります
そして、退職金は上記の通り、勤務期間が短い場合には支給されないこともあるため、支給要件を満たしていることを示すため、給与明細や年金加入記録などの書類を準備しておくとより効果的です。
次に会社への請求をするわけですが、電話やメールで請求をするのではなく、しっかりと内容証明郵便で送付する必要があります。内容証明郵便を使うことで、会社側が「請求されたことはない」と言い逃れすることを未然に防ぐことができます。
内容証明郵便を送付しても支払われない場合には、労働基準監督署などの行政機関に相談することもひとつの手段です。
しかし、労働基準監督署がトラブルへの介入に消極的なケースも多いため、そのような場合には弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士はすべての手続きに精通しているため、証拠書類の準備から裁判まですべて行うことができます。
銀座パートナーズ法律事務所では、退職金未払い問題のご相談を受け付けております。お困りの方はぜひご相談ください。